どんどん橋、落ちた(綾辻行人)感想

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綾辻行人著『どんどん橋、落ちた』を読了。

短編集ではあれど、どの作品のかなり楽しめ、本当の意味で娯楽という感じの作品だった。

[show_book_information isbn=9784062935517]

作品紹介

『どんどん橋、落ちた』は、収録されてる5作中4つの作品において、「作者からの挑戦」が入るフーダニット作品集になっている。

一番最後に収録されている「意外な犯人」こそやや毛色が違うものの、一貫して「犯人は誰か」焦点を当てている。ゲーム感覚で読める楽しい作品だ。

感想(少しネタバレあり)

本格派ミステリを手軽に楽しめる一冊という印象。どの作品においても筋が通った推理、予想外の事実があり、短い作品ながら充分に面白く読めるはず。

個人的に好きなのは、表題作の「どんどん橋、落ちた」のような、思わず笑ってしまうような作品群の中で、唯一「ワラエナイ」結末を迎える「伊園家の崩壊」。

他の作品は推理に必要な情報以外は必要最低限で書かれているように思うし、問題が分かりやすくなっているのだが、この作品はちょっと捻られており、さらに難しい。

「伊園家で勃発したこの奇妙な殺害事件の犯人は誰か?」

と、質問自体は他の作品とそんなに変わらないにも関わらず、質問が持つ意味が大きく変わってくる。この作品には素直に「負けた」という感じ。

しかしながら、一番衝撃を受けたのは表題作の「どんどん橋、落ちた」。読み返してみると「ああ確かに」と納得は出来るが、それ以上に「やられた!」感が強く、まさに予想外。

これを一番最初に持ってこられたら、ねえ…… 面白いけど悔しくなってしまうじゃないか!

著者がほくそえんでいる顔が浮かんでくるような、本格かつ遊び心に溢れる短編集だ。