やまぐろ

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業務アプリケーション開発、エンドユーザ向け機能などの開発に携わっている文系(経営学)卒エンジニア。 ブログでは読書記録を残したり、ガジェットのレビューをしたり、エンジニアっぽくプログラムの話や業界の話をしたりしています。 他にも個人開発者として、自作ツール、自作WEBサービスを公開中です。

凍花(斉木香津)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 作品紹介 2008年にデビューしている、比較的新しい作家である斉木香津。 そんな著者の第二作目にあたるのが『凍花』だ。 家族間で起きたある事件を追っていくミステリー作品となっている。 [show_book_information isbn=9784575515602] 感想(少しネタバレあり) 三女柚香の姉に対する感情の変化が実に人間らしくリアルであり、それがこの作品を「実際に起こりうるかも知れない家庭問題」を描いた作品として成り立たせていると感じた。 本作は割と他の人間がしっかりしていたので、最終的に悲しいながらも前向きなストーリーになったが、周りの人間がそろいも揃ってダークサイドに堕ちていたら……という点が想像するに易い。この辺りが上手い。 正直なところミステリとしては物足りないが、幅広い層に受け入れられる作風であると思う。個人的にはなかなか面白く読めたので、その他の読んでみたい。 それにしても…… 人の本心なんて分からないよな、う
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ロートレック荘事件(筒井康隆)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 作品紹介 ロートレック荘事件は、「時をかける少女」で有名な筒井康隆氏のミステリ作品だ。元々SF作家として有名であり、ミステリ畑では多くの作品を書いている訳ではないものの、多くの人が本作「ロートレック荘事件」を秀逸なミステリとして評価していたりする。 面白い作品を作れる人はどんなジャンルでもいけてしまうのか!? [show_book_information isbn=9784101171333] 感想(少しネタバレあり) 事故で体が成長しなくなった(下半身が不自由になった)男と、その原因となった男。加害者となってしまった男は、自分の過ちが奪った、友人の「支え」となる決心をし、現在まで交流が続いている、と言う。 その回想後、二人と共通の友人である工藤は、事件の舞台となるロートレック荘に出向くことになる。 ……と軽くストーリーの概要を書いたものの、上記の解釈はこの作品を楽しむ上では間違っている。 プロローグ、次章を読んだ時点で、概要を自分の中でまとめて、
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Jelly2 の廉価版が海外限定で出るらしい。

このブログ内で何度も取り上げている、極小スマホ「jelly2」。 どうやら最近こいつの廉価版である「jelly2E」が発表されたらしいので、ご紹介したい。 https://www.unihertz.com/ja-jp/products/jelly-2e https://www.techno-edge.net/article/2022/11/02/455.html とはいえ、発売は海外のみで日本での発売はなし。日本で発売しないため、もちろんFeliCa対応もなし。 日本版jelly2はFeliCa対応スマホの中では最小ってのが売りで、日本でもそこそこの人気を博したわけだけど、今回は一旦日本以外での普及を狙っているよう。 日本で発売しないのは残念ではあるものの、このニュースで嬉しいのは、「少なくともjellyシリーズの開発は続いている」という点。 廉価版のjelly2Eが売れてくれれば、よりアップグレードされたjellyシリーズが日本にまたやってくるかも知れない。もちろん日本人が大好きなFeliCaを引っ提げて。
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螢(麻耶雄嵩)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 作品紹介 ザ、王道シチュエーション「嵐の山荘」もの。 ミステリファンならそれだけでも充分に手に取るレ理由になるし、評価の高い作品が多くあるジャンルだが、これをクセの強い作風で知られる麻耶雄嵩がやったというのが面白い。 殺人鬼ジョージってなんや。 [show_book_information isbn=9784344410350] 感想(少しネタバレあり) クローズド・サークルにしてはあまり緊迫感がなく、ストーリー運びが平坦な印象を受けた。 個人的には、閉じた空間、一人消える毎に絞られていく犯人、徐々に大きくなる恐怖……というようなサスペンス要素が強いクローズド・サークルが好みなのでやや残念ではあった。 しかし、メイントリックはなかなか面白い仕掛けになっており、ハマる人にはハマるはず。一捻り加えて複雑にされているため、割とガチのミステリファンにも受ける気がしなくもないのが、どうだろう。 それにしても随分難しいことを……  これをキ
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慟哭(貫井徳郎)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 作品紹介 貫井徳郎の処女作であり、代表作でもある「慟哭」。  連続幼女誘拐事件から始まる警察ものになっており、警察側の視点と、別視点の新興宗教に救いを求める男の2つの視点でストーリーが進行する作品となっている。 叙述トリックの名作として良く名前が上がっていたりする。 [show_book_information isbn=9784488425012] 感想(少しネタバレあり) 作品全体として、とにかく丁寧に作られている印象を受けた。 物語はオーソドックスに犯人、追う側で展開され、そのいづれも「現在何を行っているか」が理解しやすいように描かれておりストーリーを掴みやすい。 文章も比較的軟らかく、普段本を読まない人でも手に取りやすいはず。シンプルで分かり易いミステリだと思う。 結末に賛否両論あるみたいだが、自分してはアリなのでは、と思っている。 賛否の否の意見は、後味が悪くなってしまった部分への評価だと思う。 確かにミステ
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ワイ氏、スマホをポケットに入れることに違和感

なんの中身もない、自分の日常をログとして残す。多分定年したあとに昔を懐かしむために使えると思うし、何だかんだで目的がない方が気楽だし、楽しいみたいなところがあるよね、うん。 で、タイトルに戻るわけだけど、自分はメイン機としてjelly2っていうクソ小さくてFeliCa対応してるニッチなスマホを使っている。 https://iris-on-bookrest.info/617/ こいつは取り回しがしやすく、改札を通ったりコンビニで買い物したりするのには最強。 だけど、いかんせん小さすぎて文字入力が大変だし、友達と飲んでいる時にふと情報共有したくなった時にディスプレイが小さすぎて見づらかったりするデメリットがあった。 そう、こいつはスマホが普及した大きな要因の一つである、コミュニケーションツールとしての役割を殺してしまうのだ。なんてこったい。 そんな側面があったので、この土日、ちょっと前に購入したGoogle Pixel 6aをメインとして外出してみたところ、右足に違和感を覚える事になった。 スマホってこんなに大き
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湖底のまつり(泡坂妻夫)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 作品紹介 1978年に刊行された歴史ある本作は、村祭りや住民運動と、1988年生まれの自分であっても想像付かない要素が盛り込まれており、同じようにこういった時代や土地を知らない人にはこの要素だけでも興味深いだろう。 いろんな作家からとても評価されている名作で、華麗な騙し絵なんて言われている。 [show_book_information isbn=9784488402136] 感想(少しネタバレあり) 紹介で「華麗な騙し絵」と評されているとおり、いろいろな意味で読者の想像を超えてくる作品。 まず、祭の様子や川の流れ、舞台となった千字村の情景が浮かんでくるような、丁寧な描写が印象的。 おどろおどろしい雰囲気になりがちなミステリというジャンルで、透き通るように美しい村が描かれているのが何とも対比的で面白い。 だいたいこの手の村が出てくる黒い部分が強調される気がするが。 ミステリの肝であるトリックもまた美しい。 決して派手でなく、誰も
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