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どんどん橋、落ちた(綾辻行人)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 綾辻行人著『どんどん橋、落ちた』を読了。 短編集ではあれど、どの作品のかなり楽しめ、本当の意味で娯楽という感じの作品だった。 [show_book_information isbn=9784062935517] 作品紹介 『どんどん橋、落ちた』は、収録されてる5作中4つの作品において、「作者からの挑戦」が入るフーダニット作品集になっている。 一番最後に収録されている「意外な犯人」こそやや毛色が違うものの、一貫して「犯人は誰か」焦点を当てている。ゲーム感覚で読める楽しい作品だ。 感想(少しネタバレあり) 本格派ミステリを手軽に楽しめる一冊という印象。どの作品においても筋が通った推理、予想外の事実があり、短い作品ながら充分に面白く読めるはず。 個人的に好きなのは、表題作の「どんどん橋、落ちた」のような、思わず笑ってしまうような作品群の中で、唯一「ワラエナイ」結末を迎える「伊園家の崩壊」。 他の作品は推理に必要な情報以外は必要最低限で書かれてい
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頼子のために(法月綸太郎)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 法月綸太郎著『頼子のために』を読了。 自分は小説家法月綸太郎シリーズを順序よく読んできているが、この『頼子のために』は、過去作と比べるとだいぶ読ませる内容になっているという印象を受けた。 この「トリック凄いなあ」というより、純粋に「面白い」といえるミステリー小説になっていると印象を受けたし、恐らく多くの人が同じように感じるのでは?と思っている。 [show_book_information isbn=9784062938112] 作品紹介 著者自身の名を冠する法月綸太郎シリーズの第3作目の作品で、シリーズ最高傑作と名高い作品である。 シリーズものではあるが、このシリーズの前の作品である「雪密室 」「誰彼 」を読まなくても楽しめるので、本作が気になった方は此処から読んでも問題ないと思う。 割と作品全体の空気感が重いので、ある程度の心の準備があったほうが良いかも、という側面もあり。 感想(少しネタバレあり) ストーリーに凝っているぶん、ラスト
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魍魎の匣(京極夏彦)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 京極夏彦著『魍魎の匣』を読了。上中下巻併せて1000Pを超えるボリュームで語られる本作は、全体的に和風で妖しげな雰囲気を放っており、個人的にはかなり好みのテイストだった。 [show_book_information isbn=9784062646673] 作品紹介 本作品「魍魎の匣」(もうりょうのはこ)は、京極夏彦の百鬼夜行シリーズの第2弾であり、第49回日本推理作家協会賞の受賞作品となっている。 メディアミックス作品が多い作品であり、映画化、アニメ化もしている人気作品だ。 シリーズの主人公が営む古本屋の屋号から、京極堂シリーズとも呼ばれているので、人によってはこっちの方が馴染みあるかも知れない。 感想(少しネタバレあり) 本作は、とにかくストーリーの運び方が絶妙だと思う。序盤は淡々と語られていき、ゆっくりと時間をかけて読者を作品に引き込んでゆく。 序盤で、特に印象に残ったのは、物語が始まる鍵となった二人の少女の心理描写が細かく描かれている点。同
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十角館の殺人(綾辻行人)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 1987年に出版された綾辻行人氏の処女作。この「十角館の殺人」はミステリファンの中でも極めて人気であり、処女作ながら綾辻氏の代表的な作品となっている。 Anotherなどのメディアミックス作品もあるので、知っている人は多い作家の一人かと思う。 [show_book_information isbn=9784062758574] 作品紹介 本作の舞台は、角島と呼ばれる無人島だ。とは言ってもつい半年前までは人が住んでおり、殺人事件が起きた事で無人となってしまったのである。 そんな事件が起こったことを知りつつ、興味本位でその無人島に建てられた「十角館」へ。大学生の推理小説研究会のメンバーが赴くところからストーリーが始まる。 クローズド・サークルが好きな人なら、ここまでで興味が湧くはず! 感想(少しネタバレあり) 読後の感想を一言で言うなら「面白い」。本当に面白かった。500pを超える長編でありながら、ある種長編のデメリットになりうる、まどろっこしさを全く
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最近流行ってるAIチャットって、どこまで業務利用できるの?

2022年の中頃からじわじわと話題になってきて、今では毎日のようにニュースになっているAIチャット。最近ではChatGTPが話題になったり、マイクロソフトの検索エンジンであるBingにAIチャットが導入されるとかで話題になったり、ついにGoogleもBardというAIチャットを発表したりと、まさに今年2023年は対話型AIの黎明期となりそうだ。 自分も流行りに乗ってCatchyとChatGTPを実際に触ってみたけど、噂通りしっかりこちらの問い合わせに対して回答してくれるし、文章もそこそこ違和感ない状態だし、かなり可能性を感じている。 で、この辺はどれもある程度無料で触れるので、実際に試してみた人も多いだろうし、自分と同じようにスゲーって思った人も多いと思う。 だけど、これを今の時点で有効活用できている人って果たしてどれだけいるのだろう。 あくまで自分の感覚でしかないけれど、正直なところ面白がって触る人は多いものの、本当にツールとして使いこなしている人は少ないように思う。少なくともエンジニアとして仕事をしている自分の周りですら誰ひとりいない。
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バイバイ、エンジェル(笠井潔)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 笠井潔著『バイバイ、エンジェル』を読了。なんだか青春を感じる可愛らしい表題ではあるけれど、れっきとした推理小説だ。 [show_book_information isbn=9784488415013] 作品紹介 割とキャッチーなタイトルではあるものの、実はけっこう昔の作品で1979に刊行された作品となっており、著者のデビュー作でもある。 刊行当時のパリが舞台となっている。パリおしゃれ。行ってみたい。 感想(少しネタバレあり) パリの資産家であるラスール家を中心に起きる殺人事件を、日本人留学生矢吹駆が紐解いていくのだが、この探偵役がなかなか面白い。 とにかくニヒルで捉えづらく、哲学的な台詞を並べまくる。説得力抜群の物言いで警察までも虜にしてしまう。魅力的なキャラクタだ。 この作品の見どころは、この矢吹の言葉一つ一つにあると自分は思っている。 物語の初めにおばさん姉妹の片割れが「首なし死体」となって発見され、ストーリーの重要ポイントになるのだ
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罪と罰(ドフトエフスキー)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: ドストエフスキー著、工藤精一郎訳の『罪と罰』を読了。部屋の掃除してたら大学生の時に友人に貰ったものが発見されたので、久しぶりに読んでみた。上下巻で1000ページほどの作品で読むのに時間がかかってしまったが、遂に読破。流石に一日で読みきるのは無理だった。 一応ミステリーというカテゴライズはされていないような気なするので、トリックのとこは0点にしてしまったけど、考えさせられる、と言う部分においてはではミステリーと同じなんじゃないだろうか。 [show_book_information isbn=9784102010211] 作品紹介 この作品を一言で紹介するならば「殺人を犯した青年が心身共に追い詰められていく、道徳的ジレンマを描いた作品」といったところだろう。 しかしながら、その一言では語れない魅力があるのが本書『罪と罰』だ。 感想(少しネタバレあり) ストーリーの中心にあるのが殺人を犯した男の苦しみであることに間違いはない。 だが、その男の唯一と言え
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