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イニシエーション・ラブ (乾くるみ)感想

作品紹介 この作品は著者自身(かどうかは知らないが)が「最後から二行目で別モノになる」と裏表紙で予め告知しているのが特徴的だ。早い話以下のように紹介がなされている。 僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。 本書裏表紙より いいのか、それ言っていいのか!?と驚かずには要られない、なんとも挑戦的な文面である。こういう書かれ方をしていると、おおかたどんなトリックだか想像出来てしまうというのに…。 それに、なんだかこの紹介文自体が読んだ人の感想のような……。 感想(少しネタバレあり) 普通に読み進めている分には、普通の青春小説だ。本作はサイドA、サイドBという二つのパートに分かれているのだが、少なくともサイドAを読み切った時点では「やべえ、超爽やか!」という感じで特別ミステリらしい違和感もなかった。 そしてBサ
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殺戮にいたる病 (我孫子武丸)感想

年末が近づき、ぼちぼち居酒屋の予約が取りづらくなってきた。例のウイルスにより出歩くのが難しい時期もあったが、最近は活気が出てきたようで普通に席が一杯になってる。おかえり。 今回の殺戮にいたる病については、自分が学生の頃から何度も読んでいる作品で、再読になるが、それでもやっぱり面白い作品だった。すごい。 感想(少しネタバレあり) 叙述トリックの傑作として名高く、各所のミステリーランキングでも高い評価をされている本作。 3つの視点で進んでいく物語の緊迫感、また各人物の心理描写が優れている。 特に犯人側の心理描写がエグい。 猟奇殺人事件を起こす人間の思考はおよそ一般読者に理解できるものではないが、理解できないからこそ惹きつけられる魅力があるのも間違いなく、それだけで犯人の思想、行動に興味が湧いてしまう。特に犯人の母親への執着は異質。 加えて、ストーリー上の別視点である母親もだいぶズレた人物となっており、こちらは息子への執着が異質。正直だいぶ気持ち悪い。 3つの視点のうち2つの視点が狂い気味なので物語の雰囲気自体もだいぶ異質なものになっている。 ミステリー
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そして扉が閉ざされた(岡嶋二人)感想

12月になり一気に寒くなってきた。今年の冬は例年より寒いらしいと言われていたが、ほんとにその通りとなってしまった。 3年ぶりに毛布を引っ張り出してきた。頼るまでもないと思っていただけに、ちょっとくやしい。 作品紹介 目が醒めると、そこは密室だった……という理不尽な状況で始まりまる今作。集められた四人は、互いに面識のある男女。 何故こんなことになったのか?という推考から始まり、それが過去に起きた共通の友人の死に繋がり、その不可解な死の推考が始まる。 と、ストーリーはざっとこんな感じ。刊行が1987年なので、だいたい35歳くらいの世代。 感想(少しネタバレあり) 登場する人物たちがかなりの曲者揃いで、思わず「こいつもう黙れよ」と思う事もありつつ、最後まで読めば良い作品だった。 評価されているのは、やはりストーリーにあるのかと思う。 面白いと思ったのは、登場人物は密室状態にいるのに、解明すべき事件自体は密室状態では無く、しかしながら、密室の醍醐味の一つである「疑心暗鬼」が上手く描かれている点。 こうなったのは誰のせい?と周囲に敵意を向けながらも、密
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カラスの親指 by rule of CROW’s thumb(道尾秀介)感想

道尾秀介著「カラスの親指」を読了。 著者の作品で有名なのは「向日葵の~」だと思うが、正直なところ自分にはハマらなかった。 昔ならこの人の作品はもう無理!って感じだったが、流石に歳食って先入観がなくなったので、ようやく手に取ることができるようになった。やはり一作品だけで作風は分からないと思う。 作品紹介 第62回日本推理作家協会賞を受賞してたり、直木賞候補になったりと勲章が多い本作。2012年には実写映画化もされておりこのタイトルを知っている人は多いはず。 映画化されるんだから原作は間違いなく面白いよね、うん。 感想(少しネタバレあり) 疾走感がありテンポ良く進むストーリー、ラストの意外性、ところどころで挟まれるシュールなギャグ。文句なく面白い作品だ。これは映画化されるのも頷ける。 ミステリーファンだけでなく、他ジャンルを好む人や普段本を読まない人でも楽しめるのではないだろうか。 個人的に、ハッピーエンドを迎えるなら犠牲者なんか出ない方がいい、疑似家族という要素を持っているなら尚更一人も欠けてはいけないと思っているので、しっかり犠牲者(?)について
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凍花(斉木香津)感想

作品紹介 2008年にデビューしている、比較的新しい作家である斉木香津。 そんな著者の第二作目にあたるのが『凍花』だ。 家族間で起きたある事件を追っていくミステリー作品となっている。 感想(少しネタバレあり) 三女柚香の姉に対する感情の変化が実に人間らしくリアルであり、それがこの作品を「実際に起こりうるかも知れない家庭問題」を描いた作品として成り立たせていると感じた。 本作は割と他の人間がしっかりしていたので、最終的に悲しいながらも前向きなストーリーになったが、周りの人間がそろいも揃ってダークサイドに堕ちていたら……という点が想像するに易い。この辺りが上手い。 正直なところミステリとしては物足りないが、幅広い層に受け入れられる作風であると思う。個人的にはなかなか面白く読めたので、その他の読んでみたい。 それにしても…… 人の本心なんて分からないよな、うん。会話って大事ね。 凍花【電子書籍】[ 斉木香津 ] ショップ: 楽天Kobo電子書籍ストア ¥528 ※価格やショップ情報は楽天のものです 楽天で見
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ロートレック荘事件(筒井康隆)感想

作品紹介 ロートレック荘事件は、「時をかける少女」で有名な筒井康隆氏のミステリ作品だ。元々SF作家として有名であり、ミステリ畑では多くの作品を書いている訳ではないものの、多くの人が本作「ロートレック荘事件」を秀逸なミステリとして評価していたりする。 面白い作品を作れる人はどんなジャンルでもいけてしまうのか!? 感想(少しネタバレあり) 事故で体が成長しなくなった(下半身が不自由になった)男と、その原因となった男。加害者となってしまった男は、自分の過ちが奪った、友人の「支え」となる決心をし、現在まで交流が続いている、と言う。 その回想後、二人と共通の友人である工藤は、事件の舞台となるロートレック荘に出向くことになる。 ……と軽くストーリーの概要を書いたものの、上記の解釈はこの作品を楽しむ上では間違っている。 プロローグ、次章を読んだ時点で、概要を自分の中でまとめて、上記のようになったらのであれば、その人はこの作品を心から楽しむ事は出来ないのかも知れない。 まあそれはさておき、この作品の本当の見どころは、男二人の友情、綻び、そして悲劇にある。 プロロー
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Jelly2 の廉価版が海外限定で出るらしい。

このブログ内で何度も取り上げている、極小スマホ「jelly2」。 どうやら最近こいつの廉価版である「jelly2E」が発表されたらしいので、ご紹介したい。 https://www.unihertz.com/ja-jp/products/jelly-2e https://www.techno-edge.net/article/2022/11/02/455.html とはいえ、発売は海外のみで日本での発売はなし。日本で発売しないため、もちろんFeliCa対応もなし。 日本版jelly2はFeliCa対応スマホの中では最小ってのが売りで、日本でもそこそこの人気を博したわけだけど、今回は一旦日本以外での普及を狙っているよう。 日本で発売しないのは残念ではあるものの、このニュースで嬉しいのは、「少なくともjellyシリーズの開発は続いている」という点。 廉価版のjelly2Eが売れてくれれば、よりアップグレードされたjellyシリーズが日本にまたやってくるかも知れない。もちろん日本人が大好きなFeliCaを引っ提げて。
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