綾辻行人

十角館の殺人(綾辻行人)感想

1987年に出版された綾辻行人氏の処女作。この「十角館の殺人」はミステリファンの中でも極めて人気であり、処女作ながら綾辻氏の代表的な作品となっている。 Anotherなどのメディアミックス作品もあるので、知っている人は多い作家の一人かと思う。 作品紹介 本作の舞台は、角島と呼ばれる無人島だ。とは言ってもつい半年前までは人が住んでおり、殺人事件が起きた事で無人となってしまったのである。 そんな事件が起こったことを知りつつ、興味本位でその無人島に建てられた「十角館」へ。大学生の推理小説研究会のメンバーが赴くところからストーリーが始まる。 クローズド・サークルが好きな人なら、ここまでで興味が湧くはず! 感想(少しネタバレあり) 読後の感想を一言で言うなら「面白い」。本当に面白かった。500pを超える長編でありながら、ある種長編のデメリットになりうる、まどろっこしさを全く感じさせない。 一週間という短期間の中で次々と起こっていく事件、会話のテンポの良さ、個性的で役割を持ったキャラクタが読者のページを捲る手を加速させていく。 無人島、館、とミステリの定番で
やまぐろ

フリークス(綾辻行人)感想

「館シリーズ」で有名な綾辻行人が描いたサイコ系ミステリー。 本書は精神病棟を舞台にした、「夢魔の手 ― 三一三号室の患者 ―」「四〇九号室の患者」「フリークス ― 五六四号室の患者 ―」の三作が収録された連作推理小説として刊行されており、どれもなかなか読み応えがあるというお得感溢れる一冊に仕上がっている。 一本目の「夢魔の手」は、約80ページほどの短い尺が良く生きていた。次々と裏返される物語の真実に、読者は常に頭をかき回されるはず。ラストも短編らしくストンと落ち、ページ数と内容のバランスが取れている印象を受けた。 続いて、二作目の「四〇九号室の患者」については、やり過ぎ感が否めないものの、意外性はなかなか。こういった舞台のストーリーでは定番のオチかも知れないが、面白く読めたので別に良し。 三作品どれも面白く感じる部分はあるはずなので、移動時間なんかにどうぞ。 最後に三作目、表題作の「フリークス」。サイコでぶっとんだ設定の割に、以外と真面目に謎解きしたりする変な(?)作品ではあるが、本格ミステリを書いてきた著者らしさを一番感じたのはこれ。誰でも読みやすく、ミステリーフ
やまぐろ