道尾秀介

龍神の雨(道尾秀介)感想

感想(少しネタバレあり) 実を言うと、代表作『向日葵の咲かない夏』を読んだとき、面白さよりも気持ち悪さが上回ってしまい、以来道尾秀介の作品には悪いイメージが付いてしまっていた。 一度定着した印象というものは悪いものほど中々拭い去る事ができず、結局「向日葵の咲かない夏」を読んでから著者の他作を手に取るまで早数年経ってしまった訳である。 しかし本作に込められたメッセージもあって、これまで代表作しか手にとっていないのにも関わらず「この人の作品は自分に合わない」と勝手に憶測していたことを少し反省することとなった。 「龍神の雨」は純粋に面白いし、テーマもしっかりしている作品だったからだ。 道尾秀介は、この作品のテーマとして運命を、モチーフとして龍を用いている。巻末の解説によれば、インタビューでこう答えているそうだ。 運命というのは、誰もその姿を実際に見たことはなく、巨大で荒々しい。それが龍というものによく似ていると気づいたとき、龍をモチーフに使おうと考えたんです。 人が創り出した想像上の生き物である龍と、人の運命が似ていると。独特な考えかも知れないが、本作を読み終えた
やまぐろ

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb(道尾秀介)感想

道尾秀介著「カラスの親指」を読了。 著者の作品で有名なのは「向日葵の~」だと思うが、正直なところ自分にはハマらなかった。 昔ならこの人の作品はもう無理!って感じだったが、流石に歳食って先入観がなくなったので、ようやく手に取ることができるようになった。やはり一作品だけで作風は分からないと思う。 作品紹介 第62回日本推理作家協会賞を受賞してたり、直木賞候補になったりと勲章が多い本作。2012年には実写映画化もされておりこのタイトルを知っている人は多いはず。 映画化されるんだから原作は間違いなく面白いよね、うん。 感想(少しネタバレあり) 疾走感がありテンポ良く進むストーリー、ラストの意外性、ところどころで挟まれるシュールなギャグ。文句なく面白い作品だ。これは映画化されるのも頷ける。 ミステリーファンだけでなく、他ジャンルを好む人や普段本を読まない人でも楽しめるのではないだろうか。 個人的に、ハッピーエンドを迎えるなら犠牲者なんか出ない方がいい、疑似家族という要素を持っているなら尚更一人も欠けてはいけないと思っているので、しっかり犠牲者(?)について
やまぐろ