小説

アリス殺し(小林泰三)感想

著者の〈メルヘン殺し〉シリーズの1作目。 この作品の最大の特徴であり、最大の「壁」でもあるのが、登場人物たちの**クセが強い会話シーン。 「え、さっきそれ言ったよね?」 「なんで話が1ミリも前に進まないの?」 読んでいて、正直イラッとする人も一定数いるだろう。 しかし、普段からラノベの軽快なテンポに慣れている人なら、案外スッと入れるはず。 見方によってはこのクセが強い文体こそ、本作の会話は単なるキャラ立ちではなく、「読者の論理的思考を麻痺させるためのトラップ」と捉えられる気もする。 メルヘンの皮を被った、あまりに冷徹で美しい本格ミステリ。不思議な世界観を是非。 アリス殺し (創元推理文庫) [ 小林 泰三 ] ショップ: 楽天ブックス ¥814 ※価格やショップ情報は楽天のものです 楽天で見る Amazonで探す
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人形はなぜ殺される(高木彬光)感想

綺麗に決まるトリックと妖しい雰囲気が楽しい本格ミステリー。 殺人が行われる前に必ず「人形を殺す」ことによって犯行予告をするという、一見不可解で狂気じみた行動も最後まで読めば納得。無意味な暗示なんて本作においてはどこにも存在しなく、それがとても美しい。 あっと驚く意外性がある作品も面白いが、やはりミステリーの醍醐味は犯人の推測でありトリックの解明だ。そして本書ならこのミステリーの醍醐味が思う存分味わえる。 時間がある時にじっくり読んで、犯人当てを楽しんで欲しい一冊だ。 人形はなぜ殺される 高木彬光コレクション (光文社文庫 たー4-36) [ 高木 彬光 ] ショップ: 楽天ブックス ¥968 ※価格やショップ情報は楽天のものです 楽天で見る Amazonで探す
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ジェリーフィッシュは凍らない(市川憂人)感想

飛行船”ジェリーフィッシュ ” を舞台にしたクローズドサークル。 なんだかラノベっぽいタイトルの作品だけれど、中身は本格ミステリー。 意外性のある謎解きパートは必見。 けっこう読みやすさと面白さのバランスが良いので、これ以外の作品も読んでみたくなった。 ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫) [ 市川 憂人 ] ショップ: 楽天ブックス ¥858 ※価格やショップ情報は楽天のものです 楽天で見る Amazonで探す
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刺青殺人事件(高木彬光)感想

高木彬光の処女作であり、探偵神津恭介の初登場作品。 密室殺人、胴体のない~とまさに本格ミステリの王道的作品になっており、モチーフとして使われている刺青がいい感じに怪事件を作り出している。 本格ファンなら内容紹介だけでも飛びつくこと間違いなし。 もちろん本格ミステリとしての完成度も抜群で、その解法も至極納得、読者の欺き方も素敵。 現代よりやや堅い文体に抵抗がなければ、文句なしに楽しめる一冊ではないだろうか。 余談だが、高木彬光作品はなかなか書店で探すのが難しいので、電子がおすすめ。 刺青殺人事件 (光文社文庫 たー4-46) [ 高木 彬光 ] ショップ: 楽天ブックス ¥924 ※価格やショップ情報は楽天のものです 楽天で見る Amazonで探す
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螺旋館の奇想(折原一)感想

折原一らしい楽しさが詰まった、ちょっぴりカオスなミステリー。 この螺旋館の奇想は、とにかく読者を騙すことに全力を捧げているような作品で、最終的なオチを「予想」するのが非常に困難。 読者が混乱すること請け合いだ。 遊び心に溢れているというか、悪ノリというか、解説まで作品の一部と化してしまっている混沌っぷり。 なかなかお目にかかれないフリーダムな一冊になっている。 オチまで読んで 「これは面白い!」 と思う人と、 「なんだこれは!」 と本をぶん投げたくなる人と、大きく評価が分かれそうな作風ではあるが、ここまで自分のジャンルにこだわりを持って書いている人はそうそういないし、著者のミステリー愛がひしひしと伝わってくるはず。 なお、螺旋館の奇想がハマったのなら是非「倒錯の死角」「倒錯のロンド」「倒錯の帰結」の三作も読んでみて欲しい。 これらを読んで面白いと感じたら、きっとあなたも折原ファンだ。 『館』という単語から「お、密室ものか?」と思うかも知れないが、全く違うのでそこだけは注意。 螺旋館の奇想【電子書籍】[ 折原 一 ]
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