人形館の殺人(綾辻行人)感想
作品紹介
十角館、水車館、迷路館とこれまでシリーズ三作を読んできたが、今作人形館はこれらの作品とは毛色が違う印象。館シリーズはいづれもとっつきやすさみたいなものがあったが、今作はそうじゃないかも知れない。
もともと「人形館」を所持していた男が自殺し、男の息子である飛龍想一が父の遺した「人形館」に引っ越してくる所からこの物語は始まる。
いままでのシリーズにおいても、もとの所有者が亡くなったことで「×××の館」に関わることが多かったので、これまでシリーズを読んできている方なら、またか、と頷くに違いない。しかし、そこで起きることは、これまでの館シリーズとは大きく志向が変わっている。
シンプルに読みやすい、面白い!と他の人に勧めるのであれば、まあ前作たちなのかなと。
感想(少しネタバレあり)
前作までの館における連続殺人事件は言わば復讐劇。抑えきれなくなった憎悪が惨事の引き金となった訳で、それ故計画も緻密に練られており、事件現場一つとっても見所があった。
それに加え展開も早く、読む者を虜にする勢いがシリーズのウリだった。しかし今作で起きる事件では、上記のような魅力