小説

長い廊下がある家(有栖川有栖)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 有栖川有栖の短編集『長い廊下がある家』を読了。短編集だし、ちょっとづつ読み進めていこうと思っていたが、結局購入当日に読み切ってしまった。なんだか勿体ない気もするが、それも面白い作品だったということで。 [show_book_information isbn=9784334765910] 作品紹介 表題作の「長い廊下がある家」に加えて「雪と金婚式」「天空の眼」「ロジカル・デスゲーム」の計4作品を収録した短編集になっている。 表題作に加え、他作品もなかなかバラエティ豊かな印象となっており、どの作品も楽しい謎解きが見られるは同じ。どれか一つは受けるはずだ。 感想(少しネタバレあり) 全体的に完成度が高く、なかなか面白い作品が集められているという感想。 表題作の「長い廊下がある家」もなかなか大胆なトリックが使われていて面白いし、他の作品も楽しめるが、その中でも個人的に好きなのは一番最後に収録されている「ロジカル・デスゲーム」。 相当短い尺の作品ながら、ゲー
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ゼロの焦点(松本清張)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: [show_book_information isbn=9784101109169] 感想(少しネタバレあり) 戦後初期を舞台にしており、当時の雰囲気を感じさせてくれる作品。 『点と線』では政治的な暗い背景のもと事件が起きたが、社会派と称する、されるだけあり今作も同様に時代的背景を組んだ作品になっているように思う。 『ゼロの焦点』では女性視点でストーリーが展開されるが、この女性の心理描写が細かく面白かった。 登場人物の過去が影響している訳で、一概にこの時代の~とは言えないのかも知れないが、本作の女性たちは一様に自信を持っているように見えとても力強く映り、当時を知らない自分に”戦後間もない日本の女性たちは意志が強かった”という印象を植え付けるほど。 しかし力強さの裏には、自身の立場を守ることへの焦燥も垣間見る事ができ、この”自信”と”不安や焦り”の危うい心のバランスが本作の見所であり面白さであると思う。 言ってしまうと自分の祖父が好きだった著者の作品なので、昭和
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クラインの壺(岡嶋二人)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: [show_book_information isbn=9784062750172] 作品紹介 この作品を短く紹介するならば”バーチャルリアリティという刊行当時(1989年)は認知度が低かったSF要素を取り入れつつ、ミステリとしての完成度も随一である意欲作”というところだろう。 主人公が出版社宛に「ゲームブック」のシナリオを投稿したところ、「イプシロン・プロジェクト」というバーチャルゲームの制作会社から思わぬオファーを受けたことから本作は展開されていく。 大学4年生、働き口なし!という状況の主人公は喜々としてその話に乗り、結果としてバーチャルゲームの原作者兼テスターとして採用されることに。 プレイヤーとしてバーチャルゲームの再現性の高さを目の当たりにした青年は、次第にそのプロジェクトに心を奪われてゆくこととなる。 ところが、同じくテスターとしてプロジェクトに参加していた少女が突然失踪する所から物語は一気に暗転。主人公は「イプシロン・プロジェクト」に疑問を抱くようになり…
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イニシエーション・ラブ (乾くるみ)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: [show_book_information isbn=9784167732011] 作品紹介 この作品は著者自身(かどうかは知らないが)が「最後から二行目で別モノになる」と裏表紙で予め告知しているのが特徴的だ。早い話以下のように紹介がなされている。 僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。 本書裏表紙より いいのか、それ言っていいのか!?と驚かずには要られない、なんとも挑戦的な文面である。こういう書かれ方をしていると、おおかたどんなトリックだか想像出来てしまうというのに…。 それに、なんだかこの紹介文自体が読んだ人の感想のような……。 感想(少しネタバレあり) 普通に読み進めている分には、普通の青春小説だ。
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殺戮にいたる病 (我孫子武丸)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 年末が近づき、ぼちぼち居酒屋の予約が取りづらくなってきた。例のウイルスにより出歩くのが難しい時期もあったが、最近は活気が出てきたようで普通に席が一杯になってる。おかえり。 今回の殺戮にいたる病については、自分が学生の頃から何度も読んでいる作品で、再読になるが、それでもやっぱり面白い作品だった。すごい。 [show_book_information isbn=9784062937801] 感想(少しネタバレあり) 叙述トリックの傑作として名高く、各所のミステリーランキングでも高い評価をされている本作。 3つの視点で進んでいく物語の緊迫感、また各人物の心理描写が優れている。 特に犯人側の心理描写がエグい。 猟奇殺人事件を起こす人間の思考はおよそ一般読者に理解できるものではないが、理解できないからこそ惹きつけられる魅力があるのも間違いなく、それだけで犯人の思想、行動に興味が湧いてしまう。特に犯人の母親への執着は異質。 加えて、ストーリー上の別視点である母親
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そして扉が閉ざされた(岡嶋二人)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 12月になり一気に寒くなってきた。今年の冬は例年より寒いらしいと言われていたが、ほんとにその通りとなってしまった。 3年ぶりに毛布を引っ張り出してきた。頼るまでもないと思っていただけに、ちょっとくやしい。 作品紹介 目が醒めると、そこは密室だった……という理不尽な状況で始まりまる今作。集められた四人は、互いに面識のある男女。 何故こんなことになったのか?という推考から始まり、それが過去に起きた共通の友人の死に繋がり、その不可解な死の推考が始まる。 と、ストーリーはざっとこんな感じ。刊行が1987年なので、だいたい35歳くらいの世代。 [show_book_information isbn=9784065224465] 感想(少しネタバレあり) 登場する人物たちがかなりの曲者揃いで、思わず「こいつもう黙れよ」と思う事もありつつ、最後まで読めば良い作品だった。 評価されているのは、やはりストーリーにあるのかと思う。 面白いと思ったの
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カラスの親指 by rule of CROW’s thumb(道尾秀介)感想

取っ付きやすさ: トリック: ストーリー: 道尾秀介著「カラスの親指」を読了。 著者の作品で有名なのは「向日葵の~」だと思うが、正直なところ自分にはハマらなかった。 昔ならこの人の作品はもう無理!って感じだったが、流石に歳食って先入観がなくなったので、ようやく手に取ることができるようになった。やはり一作品だけで作風は分からないと思う。 作品紹介 第62回日本推理作家協会賞を受賞してたり、直木賞候補になったりと勲章が多い本作。2012年には実写映画化もされておりこのタイトルを知っている人は多いはず。 映画化されるんだから原作は間違いなく面白いよね、うん。 [show_book_information isbn=9784062769778] 感想(少しネタバレあり) 疾走感がありテンポ良く進むストーリー、ラストの意外性、ところどころで挟まれるシュールなギャグ。文句なく面白い作品だ。これは映画化されるのも頷ける。 ミステリーファンだけでなく、他ジャンルを好む人や普段本を読まない人でも楽し
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