横溝正史

八つ墓村(横溝正史)感想

作品紹介 探偵「金田一耕介」が活躍するシリーズの続編である本作。 作品のタイトルにもなっている人里離れた山村「八つ墓村」を舞台に、その土地特有の因習になぞらえた連続殺人事件をテーマにした作品になっている。 とにかくよそ者に厳しい閉鎖的な空気は、稲川淳二だったら村に入った瞬間に「嫌だな~怖いな~」と言ってしまうであろう程だ。いや、突然「いるっ!」と叫び出すかも知れない。 ちょっと昔だと「ひぐらしのなく頃に」とか、最近だと「ガンニバル」とかが、シチュエーションが似てる感じか。 どの時代でも人を惹きつける要素ってのは変わらないのかも知れない。 感想(少しネタバレあり) 怪談の人とかともかく、『八つ墓村』はなかなか読み応えのある作品だ。推理要素あり、ホラー要素あり、恋愛要素もあったりする。 その中でも一番色濃いのはやっぱりホラーだろう。 設定からして、もう色々と怖さを引きたてる。八つ墓村の由来になったと言われるている、村人たちによる八人の武者殺し。 これが村に「祟り」をもたらした原因と伝えられており、その首謀者の末裔が本作の主人公になるのだ。しかも、主人
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獄門島(橫溝正史)感想

作品紹介 金田一耕助シリーズの二作目。 時系列的には、二作目といえど、前作との間に戦争を挟んでいるためだいぶ年月が経っている。 この戦争における戦友の頼みで獄門島を訪れた金田一が連続殺人事件に巻き込まれるのが今作の始まりだ。 閉鎖的な島で起きる連続殺人事件は凄惨ながらどこか美しくそして悲しく、読むものを魅了する。 亡者の魂は祟りとなり生者の心を蝕んでゆく。 芭蕉の俳句とトリックに注目すべし! 感想(少しネタバレあり) 金田一耕助シリーズ屈指の名作と名高い今作。 もはやここで語る必要のないくらい完成され多くの読者を虜にしている訳だが、それも当然と思わずにいらいない面白さ。 連続殺人事件のトリックからストーリーの裏側までとにかく精巧に作られており、その見立て殺人は美しいの一言。 美しくあり、感傷的。 立ち入った者全てが、獄門島の雰囲気に飲まれるに違いない。 長い時を経て尚輝く、不朽の名作だと思う。 かなり満足度が高い一冊だった。 【中古】金田一耕助ファイル(3)−獄門島− / 横溝正史 (文庫) ショップ:
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悪魔が来たりて笛を吹く(横溝正史)感想

日本一有名な探偵キャラクタ金田一耕介が事件の真相を暴く、本格派ミステリーシリーズの内の一冊。 一本のフルートが作品をおどろおどろしい雰囲気で覆い、意志を語り、終わりを告げる。悪魔が来たりて笛を吹くというタイトルからして、作中において笛が重要な役割を持つことは想像するに易いが、まさかこれまでとは。 道具の使い方が面白く、ラストで明かされる楽曲「悪魔が来たりて笛を吹く」の秘密は必見。 シリーズものではあるが、順番を気にせずとも読めるように書かれているので「頭から読むのは大変だから」と敬遠する必要なし。だいぶ昔の作品ではあるが、言葉の言い回しから古くささや堅さは感じないので、若い人でも入りやすく充分楽しめるはず。 【中古】金田一耕助ファイル(4)−悪魔が来たりて笛を吹く− / 横溝正史 (文庫) ショップ: ネットオフ 送料がお得店 ¥375 ※価格やショップ情報は楽天のものです 楽天で見る Amazonで探す
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本陣殺人事件(横溝正史)感想

和室での密室事件という難しいことをやってのけた作品。 この作品には表題作の他に「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の二作を収録しており、三作品併せてのページ数は大体400pほど。 その中の約半分ほどが「本陣殺人事件」である。 感想(少しネタバレあり) この本陣殺人事件は、舞台となっている本陣の末裔の屋敷、屋敷にある日本特有のアイテム、そして犯行の動機まで一貫して日本らしさが現われている作品だと思う。 この作品の面白さはなんと言っても日本家屋特有のアイテムを駆使したトリックにある。 いくつもの道具を何重に張り巡らせて出来上がった仕掛け、これを一つ一つデモンストレーションしながら解いていくシーンは、目の前で解答を提示された登場人物たちと同様に読者も唖然とするに違いない。 著者の密室殺人に対するこだわりがひしひしと感じられる印象的な場面であった。 またこの事件の犯人は、非常に細かい配慮のもと、わざわざ仕掛けの実験まで行った上で犯行に及んでいる。 この犯人の人となりが、本作では非常に良く描かれていたと思う。 緻密に計算されたこの事件は、犯人が驚くほど切れ
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