りら荘事件(鮎川哲也)感想

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鮎川哲也の傑作として有名なりら荘事件。

先に言ってしまうと、個人的に大好きな作品で何回か読み返している一押しのミステリー。

感想(少しネタバレあり)

クセの強い学生たちが羽伸ばしに集まった「りら荘」。その付近で男性の死体が見つかり、側にはトランプのカード、スペードのAが落ちていた。

と、何とも意味ありげなメッセージが残された上で、連続殺人劇の幕が開けていくこととなる。

最初の事件が起きてからは、とにかくテンポ良くストーリーが展開する作品となっており、中弛みしなく飽きない。

また、本作はテンポが早いと言うのも特徴であるが、「被害者が増える度にそれに併せて残されたトランプカードの数字も増えていく」

という犯人の遊びによって、否応なしに被害者の増加と被疑者の減少を思い知らされるという、かなり残酷な仕様であるのも特徴。

この残酷さとテンポの早さが作中の登場人物の緊張感をモロに読者に伝える要因となっており、読者は目が離せなくなってしまう。

もちろん本格ミステリーとしての見せ場もある。

「りら荘」で起きる事件は全て殺害方法が異なっており、至る所にトリックが散りばめられている。それらを一つ一つ論理的に紐解いていく様子が美しい。

中には突拍子もない豪快な技を駆使する事件もあるものの、これはこれで「そんな事が出来るのか…!」と驚くばかり。

もはや「りら荘」で起きた細かい事象すべてに意味があるレベルの構築で、本当に作品が丁寧に作り上げられていると思う。

これほど読後感が良い作品とはなかなか出会えないはず!

¥990
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書いた人

やまぐろ

やまぐろ

業務アプリケーション開発、エンドユーザ向け機能などの開発に携わっている文系(経営学)卒エンジニア。 ブログでは読書記録を残したり、ガジェットのレビューをしたり、エンジニアっぽくプログラムの話や業界の話をしたりしています。 他にも個人開発者として、自作ツール、自作WEBサービスを公開中です。